寝床からいったん出る!
- からだのこと
慢性的な不眠症で困っている人では、不眠をさらに悪化させる行動がしばしば見られる。そのような「誤った睡眠習慣」を正すだけでも不眠が軽くなることが分かっている。不眠を悪化させる第一の行動は、「寝床へのしがみつき」。不眠症の人は、「横になっていれば眠くなるはず」などの思い込みで、極端に早い時間に寝床に入ろうとする。実は「眠れないときは寝床から出る」が正解。眠れないまま寝床にいる時間が長いほど、不眠恐怖が強まってしまうためだ。そのうちに、電車の中やリビングのソファではうとうとできるのに、寝床では目がさえるという状態になる。これを不眠の条件付けと呼ぶ。不眠の人ほど寝床にいる時間を短くする方がよく、眠れている時間プラス1時間程度に抑えるようにしよう。第二に、不眠の人は寝床で本を読んだりテレビやラジオを視聴することが多いが、これも不眠症には大敵。ベッドで睡眠以外のことを習慣的に行っていると、横になるだけで頭が活性化して目が覚めるという、やはり不眠の条件付けが強化されてしまう。不眠症は不眠恐怖症である。不眠恐怖を克服するには、寝付けないときは寝床からいったん出る、寝床では寝ること以外はしないといった、「ちょい遅寝」がこつなのである。